当院の整形外科の診療の特徴
開院して10年が経過して多くの患者さんの診療に携わり、整形外科疾患に対する当院のアプローチは高齢の患者さんの肩、腰、膝の運動器の問題解決に主眼を置いています。その症状とは、肩や腕の付け根の疼痛や、腰痛や坐骨神経痛に伴う殿部や下肢の疼痛・感覚障害、また変形性膝関節症によるO脚変形、変形性股関節症に伴う疼痛や歩行障害、腰部脊柱管狭窄症の歩行障害や感覚障害等の「慢性的な疼痛や神経症状やロコモ症状」に対する当院独自の治療です。
我々は後述するペインクリニックのテクニックや、整形外科の保存的治療、運動器のリハビリの指導等で、慢性的な疼痛やロコモ症状に対応して、「90歳まで無事に移動できる運動器の状態を維持する」を目標に治療しています。ただ単に検査をして説明するだけのアプローチではなく、一歩踏み込んだ当院のセラピーが特徴です。中々症状が改善しない運動器の問題を抱えてる方は当院の診療を受けてみて下さい。
院長の室岡は整形外科専門医を取得し、過去には多くの病院で研修も積んでいます。多くの整形外科疾患や外傷の経験も豊富で、手術が必要な患者さんに対しては手術可能な専門病院へ紹介しています。そして術後も当院に通院して経過を診ている患者さんも多くいます。
また当院では長きに渡り通院を継続している高齢の患者さんも多くいらっしゃいます。
スタッフ一同「患者ファースト」の意識を持って対応していますので、高齢の患者さんも安心して受診して下さい。高齢の痛みを抱える患者さんには介護保険の申請をして頂く様に随時説明を行い、通所リハビリやデイサービス事業を受けて頂いている患者さんも多くいらっしゃいます。自宅に閉じこもってばかりの生活からの脱却に積極的に介入しています。
当院の骨粗鬆症治療の特徴
当院の特徴の一つは骨粗鬆治療に特化している事です。
2013年当時にクリニックの名称に「骨粗鬆症」を入れているクリニックは全国では無く、保健所で申請する際に驚かれました。院長の室岡は岩手医科大学整形外科の骨粗鬆症専門外来で25年の長きに渡り骨粗鬆症治療に携わり、重症骨粗鬆症の治療を含め臨床経験が豊富で、最新の骨粗鬆症治療薬にも精通していて、日本骨粗鬆症学会の専門医でもあります。
院長の室岡は長年の骨粗鬆症治療の経験から、「脊椎の圧迫骨折を撲滅し予防することが、骨粗鬆症治療の最大の目標であり、正当な道筋である」と考えています。その理念に従い、当院では基本的な三つの検査を実施することで骨粗鬆症の患者さんを評価しています。
一つ目は胸椎と腰椎のX線検査です。
「いつ間にか骨折」のような全く覚えのない脊椎の圧迫骨折の跡がX線検査で見つかる場合があります。これは重要な所見で、骨粗鬆症が進行しているサインで、重症化の指標になるので注意しなければなりません。
二つ目は骨密度検査です。
当院ではホロジック社の全身用骨密度測定機器の「ディスカバリー」を使用して、腰椎と両側の大腿骨頚部(股関節)の骨密度を測定しています。いわゆる踵や手首のような末梢骨の骨密度測定では全身の骨粗鬆化を評価する事は困難で、ましてや治療効果を判定することは不可能と考えています。腰椎骨密度は治療効果を判定するには最適な部位です。大腿骨頚部(股関節)は骨密度が増えにくい部位ですが、全身の骨の状態や骨の質を評価する部位として着目しています。
そして三つ目は採血検査です。
一般的な採血項目に加えて、骨代謝マーカーという骨密度の減衰や骨折の危険性を予見するマーカーを測定します。また血中の25-OHビタミンDを測定して、天然型ビタミンDの充足率も確認します。
これらの3つの検査項目の結果を評価して骨粗鬆症治療薬を選択します。一般的に内服薬より注射製剤の方が骨密度の増加が良好です。またすでに治療を受けている患者さんより未治療の患者さんの方が骨密度の増加が良好です。
院長の室岡は「骨密度の増加(骨強度)が骨折を予防するための最も重要な因子である」と考えています。そのため腰椎や大腿骨頚部の骨密度の増加が十分に期待できる薬剤を選択します。それはデノスマブ製剤や連日型のテリパラチド製剤や抗スクレロスチン抗体 等の注射製剤になります。そして前向きに治療の目標値も患者さんに説明します。例えばデノスマブ製剤であれば、腰椎骨密度は5年で 8%、大腿骨頚部であれば5年で4% の増加を見込んでいることを説明します。また急性期の圧迫骨折の患者さんには第一選択薬として連日型のテリパラチド製剤(自己注射製剤)を開始します。連日型のテリパラチド製剤は骨折部位の骨折治癒効果もさることながら、疼痛の改善やQOLの改善が得られています。自己注射の導入やその後の指導に関しても職員一同真摯に対応していますのでご安心下さい。
低骨密度を指摘されて改善が実感できない患者さんや、圧迫骨折後のトラブルについても多くの症例を経験しています。骨粗鬆症治療に疑問を感じていたり、専門的な骨粗鬆症治療をご希望の方を当院を受診して下さい。
またステロイド骨粗鬆症や続発性骨粗鬆症に関しても多くの症例を経験しています。岩手医科大学整形外科の骨粗鬆症外来の経験のおかげで、院長の元には膠原病内科で加療を受けてステロイドを長期服用している患者さんや、骨髄移植後や腎移植後でステロイドを長期服用している患者さん等が通院されています。骨密度の評価や長期の経過観察がご希望の方は当院を受診して下さい。
また当院は骨折二次管理料の3の認定を受けている医療機関です。大腿骨頚部骨折の術後で、骨粗鬆症の継続的な治療を希望される患者さんは当院を受診して下さい。腰椎や逆側の大腿骨頚部の骨密度の経過を追って行く事が、大腿骨頚部骨折後の患者さんの臨床的な重要事項と考えています。当院では多くの大腿骨頚部骨折後の患者さんの新規骨折を予防し、術後の骨粗鬆症治療の継続においても評価を受けています。